【地下室】

パシィィンっっ! パシィィンっっ!

石造りの薄暗い地下室に打擲音が響く。
陽の差さないその部屋には、
肌を刺すようなひやりとした空気が漂っていた。


天井は低く圧迫感はあるが、
優にダンスパーティが催せるほどの広い室内。

その中心に、3人の男がいた。

見る者と、
執行する者と、
受ける者。


一目で高級と分かるアンティーク調の布張りの椅子。
悠然と長い足を組み、肘掛けに片肘を置き頬杖を付く壮年の男性。

その目線の先には、
漆黒のスーツに身を包み、表情もなく与えられた任務を遂行する若い男性と、

腰元ほどの高さに設えられた、
木製の懲罰台に半身を折るように乗せられた、
男性と呼ぶにはまだ早い少年の姿があった。


少年の両手首は鎖で拘束され、自らの意思でそこから逃げることはできない。
下穿きは下ろされ、剥きだしの尻に、執行人から与えられる罰を受ける。


パシィィンっっ!

打たれる毎に、少年の背は小さく反り返り、うめき声を上げた。

「………うぅっ」

パシィィンっっ!

「…ぅああっ!」

執行人が革製の懲罰道具を振りかぶり、
鋭い音を立てて空気を裂き、
少年の剥きだしの尻に、それが当てられた。

ひゅんっ
パシィィンっっ!

破裂音にも似た、その独特な肌を打つ音。
椅子に座る男は、少年の苦しげな声にも眉ひとつ動かさない。

いくつ打たれたのだろうか。
白かった尻は熟れた林檎のようになっている。

矜持の高い少年は泣くまいとしていたが、
いつの間にか涙がぼろぼろと頬を伝っていた。

「…、お、お許しください…っ!……ちち、うえ!」

せめてもの意地で声を震わせまいとしたが、
嗚咽で揺れる。

「もぅ、…二度と、……あのような失敗は、致しまっ、せん!!」

許しを請う間も、尻は打たれる。
その度に息が詰まった。

「申し訳、ございません、…でした!……父上!」

少年の呻き声に息を吐き、
壮年の男は頬杖を解いた。

パン!

手を一度鳴らすと、執行人の動きがピタリと止まった。
男はそれを見届けてゆっくりと椅子を立つ。

部屋に響くは、
男の靴音と、少年の荒い吐息のみ。

ようやく止んだ打擲に、少年は安堵する。
わずか気を緩めるが、
コツコツと室内に響く足音が近づき、身を固くする。
…足音は少年のすぐ傍で止んだ。

少年がゆっくり顔を上げると、慈悲深い微笑みがそこにあった。
男は汗で湿った少年の髪を優しく撫でて言った。



「…まだだよ、坊や。…君にはまだ反省の時間が必要だ」




絶望の言葉だ。
くらりと目眩がした。


「私の子なら耐えられるはずだよ。最後まで耐えなさい」

壮年の男は少年に優しくそう諭すと、
執行人の若い男に向きなおった。

「まだ甘い。足の付け根を打て」

顎で示すと、執行人は「はい」と答えて頭を垂れた。


パシィィンっっ!


「うああああっ!」

今までとは比べ物にならない痛みに、
少年は意地で保っていた意識が遠のくのを感じた…――――。






ひぃ(゚Д゚;)
ちょっと思い付きで書いたら酷いの出来た!!

彼ら、血の繋がった親子ではないと思います。
そんでココ、日本じゃないと思います。
なんか組織な感じがするなぁ〜と。
なんかしらの任務に失敗したのかと思われます。
親子だったら虐待デスヨネー。

2014.5.24

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